2014年10月26日日曜日

DCF法を用いた株式評価法~3.財産価値について

今回は財産価値について説明します。前回はDCF法を用いた株式評価法~2.概要 - バフェット流バリュー株投資で資産形成+です。




財産価値について

この方法では財産価値は以下のように設定してます。

財産価値 = 純資産

最初は流動資産から負債を差し引いたものにしていたのですが、いろいろとバランスを調整した結果、上のような式になっています。


純資産は自己資本・株主資本とも呼ばれています。また、解散価値ともよばれ、もし会社を清算することになった場合に、株主に配分される資産のことを指しています。

しかし、これは理屈上の話で、本当に清算した場合はそれほどの資産は株主に配分されないことがほとんどであると言われています。これには理由が二つあって、一つ目は貸借対照表(バランスシート)に載っている資産に帳簿上の価値がないことが多いこと、二つ目は株式は債券や負債等に対して優先順位が低いためです。

ただ、後に出てくる事業価値の精度を考えるとあまり細かい議論をここでしても結果として意味がないため、ここでは帳簿上の純資産は株主が受け取れる財産価値であるとシンプルに考えます。

会計になじみが薄い人のために、ここでは具体的にブロンコビリー(3091)のH25年12月期決算短信を例に説明してみたいと思います。

この決算短信ではP9~10に貸借対照表が掲載されています。通常、貸借対象表は左側に資産(現金、商品、土地等現在会社が持っている資産)、右側に負債・資本(左側のような資産を手に入れるための手段、例えば借入金、利益剰余金)を示すことが多いです。しかし決算書では前年度と比較しやすくするため、資産、負債・資本の順に縦に並べて記載しています。

ブロンコビリーの例で言うと、P9が資産の表です。左が前期(H24年)、右が今期 (H25年)です。資産の部の合計は一番下で今期の数字は8,756百万円となっています。ちなみにこの額は次のページの一番下負債純資産合計と必ず同じになります。



次のP10に負債と純資産の記載があります。赤枠で囲ったところが純資産であり、この合計は黄色のマーカーの部分であり、今期は7,085百万円となっています。これが財産価値であり自己資本です。ちなみにこれの負債純資産に対する割合が自己資本比率であり、ブロンコビリーの場合は7085/8756=約0.81で、自己資本比率は81%ということになります。



DCF法を用いた株式評価法~1.はじめに
DCF法を用いた株式評価法~2.概要
DCF法を用いた株式評価法~3.財産価値について
DCF法を用いた株式評価法~4.修正フリーキャッシュフローの算出
DCF法を用いた株式評価法~5.事業価値の算出
DCF法を用いた株式評価法~6.適正価格の算出
DCF法を用いた株式評価法~7.四半期決算での修正
DCF法を用いた株式評価法~8.11年目以降の事業価値について



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