2014年11月2日日曜日

DCF法を用いた株式評価法~5.事業価値の算出

今回は事業価値の算出について説明します。前回はDCF法を用いた株式評価法~4.修正フリーキャッシュフローの算出 - バフェット流バリュー株投資で資産形成+でした。

いよいよ事業価値算出の第二段階です。前回は前年度の修正フリーキャッシュフロー(修正FCF)を算出しました。これを使って事業価値を算出していきます。(以下、キャッシュフロー=CF、フリーキャッシュフロー=FCFと略します。)

参考書バフェット投資の真髄で言うとP137あたりの内容です。


10年後までの修正FCFを算出する

参考書では、10年後まである一定の成長率、11年後からはそれとは異なる一定の成長率を適用して事業価値を算出しています。

私の方法では10年後までの成長率は任意に設定し、それ以降の事業価値は考慮せずに(0として)算出します。特に当年度の修正FCFは今期の予想増益率で設定しています。またその後の増益率はある程度控えめに設定しています。

ブロンコビリーはH25年12月期決算短信で通期の予想利益を8.5%増としていましたので、1年目の数字はこれを用います。2年目以降はこれに応じて、2年目~3年目は8%、4年目~10年目は5%を想定しました。



この設定を使って10年目までの修正FCFを求めると次のようになります。


 

割引率を使って事業価値を算出

次に上で求めた10年後までの修正FCFを現在価値に戻します。

現在価値に割り引くという概念が最初は分かりづらいかもしれません。要するに現在の1万円と10年後の1万円では価値が違うということです。

これは何故でしょう?それは例えば現在1万円をもっていた場合、その1万円で国債を買ったとするとリスクゼロで年々お金が増えるからです。

例えば年利3%だったとすると、10年後には1.03の10乗で1.34倍になります。つまり

現在の1万円 = 10年後の1万3400円

なのです。逆に考えると10年後のお金は1/(1.03の10乗)=0.744 倍すると現在のお金の価値となります。これが年利3%の場合の世界です。

この年利、DCF法では割引率といいますが、これをいくつに設定するかがしばしば問題となります。基本的には上で述べたようにリスクフリーの利回りなので、国債の利回り相当なのですが、今後10年の利回りを予測しなければならない上に、この数字で相当計算が変わってくるため悩ましい問題です。しかし、この割引率と比較すると企業の成長率の方がとてもバラツキが大きいため、あまり神経質にならずに設定します。

現在の日本の10年物の国債利回りは0.5%程度と歴史上最安値を付けています。過去10年間の平均値を見ると1.0~1.5%の間ということろで、最大でも2%を超えていませんが、私は少し余裕を見て3%と設定しています。



よって、1年目の割引係数は1/(1.03)=0.971、2年目の割引係数は1/(1.03の2乗)=0.943、・・・、10年目の割引係数は1/(1.03の10乗)=0.744となります。

これらの割引係数を各年度の修正FCFにかけて、各年度の修正FCFを現在価値に割り引きます。例えば2年目の修正FCFは1,202百万円で割引係数が0.943ですので、1,202×0.943=1,133百万円となります。

これらをエクセルで計算したのが以下です。各年度の修正FCFを現在価値に割り引いたものを合計すると12,386百万円となります。これがブロンコビリーの事業価値となります。



DCF法を用いた株式評価法~1.はじめに
DCF法を用いた株式評価法~2.概要
DCF法を用いた株式評価法~3.財産価値について
DCF法を用いた株式評価法~4.修正フリーキャッシュフローの算出
DCF法を用いた株式評価法~5.事業価値の算出
DCF法を用いた株式評価法~6.適正価格の算出
DCF法を用いた株式評価法~7.四半期決算での修正
DCF法を用いた株式評価法~8.11年目以降の事業価値について


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